2005年06月09日

底辺なもの43 犯罪者詩人

私は小説を読むのが好きなのですが、
(しかもミーハー)
最近はお金が続かないので月刊の文芸誌を2冊、
早めに読み切っちゃったときは
3−4冊買うのが最近の習慣となっております。

これまでにも「野性時代」については書いた事がありますが
今回は毎月買っているもうひとつの文芸誌「すばる」について。

「すばる」は、「野性時代」は一般大衆的、バラエティ性が高いのに比べ、
かなり純文学度の高い雑誌だといえます。

もっといえば「文学界」の方がさらに純度高めな印象ですけど…
ちょっと私には敷居の高い気がしますので
あまり買いません。
連載なのであまりちょこちょこ買ってもストーリーわかんないし
そのうちハードカバーになって読むかなと思ったら
買う気が起きなかったり。

あ、でもこの前は北野武がフランスの映画専門雑誌の掲載のために
独占インタビューされたときの全文が載ってたので
思わず「文学界」買ってしまいました。
期待を裏切らず面白かったです。

他のどんな雑誌でもなく「文学界」に掲載されるところが
ニクいですよねー

これらの雑誌の生い立ちとかは良く知らないのですが
そういうことも雑誌に寄稿する作家の違いを生むのかなと
勝手に思ってます。

時間があればそういうの調べてみたいなぁ…

ちなみに「すばる文学賞」受賞者は、
継続的に新作を「すばる」で発表することが多い気がします。
ちょっと前に話題になった
金原ひとみ(「蛇にピアス」の作者。この作品はすばる文学賞も受賞しているのです)は、
今月号でも新作(200枚くらい)を発表しています。
私には全部読みきれてないですけど…
やっぱりそういう気分じゃないからかな。歳のせい!?(泣)

というわけで毎月読んでいる「すばる」ですが、
今月号で私の目に止まったのは
「犯罪者詩人、ラスネール」

「すばる」に限らず文芸誌では割とよくあるんですけど、
唐突に、全然知らない昔の作家やら詩人やらが
生い立ちや経歴を含めて紹介されることが多々あり、
またその人たちが魅力的なのです。たまらなく。

今回は、犯罪者(しかも強盗殺人)と文学っていう切り口が
もうたまらなくツボでした。
その評論によるとラスネールというのはフランスの詩人、
19世紀前半の人物なのだそうで。

犯罪者っていうと、
私はビートニク作家、ウィリアム・バロウズ
(林檎を頭の上に載せさせ、
 銃で打ち抜くウィリアム・テルごっこで妻を殺害…)
くらいしか知らなくて
しかもバロウズは亡命しているから牢獄には入っていない気がする。

他にもこの評論によると何人かはいるらしいですけど、
囚人として名作を残した作家っていうのはやはり数少ないらしいです。

殺人者が文学(彼の場合は詩)を嗜む、その切り口が
どうして私をそこまで惹き付けるのかはわかりませんが…

やはり人間の醜いところを怖いもの見たさで
覗きたくなるという、
これまた醜くていやらしい部分が強いのかもしれませんorz

どうして彼が犯罪に走るようになったのか、
どういう経緯でその強盗殺人を起こすに至ったのか、
一面的な1本の評論で判断するには安易な気もしますが、
私はその記事にとても惹き付けられてしまいました。

読んでるうちに、
「あー、犯罪起こしても仕方ないよな」と思わせるその境遇や経緯、動機。

社会への強い憎しみが彼を犯罪へと駆り立てた。

一言で言えばそういうことなんですけど…
だから一般に存在する犯罪者(しかも知能犯)と変わらないような気もします。
もっと他にも読んでみないとわからないですが。

でもまた別の観点からすると、
そんな風にしか生きられなかったこの詩人のことを
たまらなく愛おしいと思えてくるのですよね。

文字って、文章っておそろしい。
表現力で、どうにでも感情コントロールできるんですね。
犯罪さえも正当化できるかのようなその書きよう。(笑)

感化されやすい私は、
その犯罪者の生い立ちや犯罪の経緯に、
またまたシビれてしまいました。くぅーっ。

(昨日の美容師といい、シビれすぎだなオイ)

というわけで、
こんな風に普通に本屋で本を物色しているだけでは
決して出会えないような作家や作品に出会えるところも、
文芸誌のスバラシイところだと、
常々思っております。

文芸誌では、単に作品だけでなく
その作家及び作品についていろんな人が評論していたり、
対談していたり、そういう企画が必ず1つはあるものです。

その度に、いかに自分が日本や世界の文学について無知かを思い知らされ、
そしてさらに知的好奇心及び購買意欲をかき立てられるという
エンドレスなスパイラルに巻き込まれる底辺ズです。

ぜひお買い上げあれ、文芸誌。
posted by 底辺ズ隊員 at 01:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。